「爬虫類を飼ってみたいけど、どの種類を選べばいいのかわからない…」そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
今回は、これから爬虫類の飼育を始めたい初心者の方に向けて、特に飼いやすい5種類をご紹介します。
- ヒョウモントカゲモドキ
- フトアゴヒゲトカゲ
- コーンスネーク
- ロシアリクガメ
- クレステッドゲッコー
それぞれの種類について、寿命・大きさ・性格といった特徴から、飼育の注意点まで、初心者が知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
爬虫類初心者の方が自信を持って飼育をスタートするきっかけとして、ぜひ参考にしてください。
爬虫類初心者におすすめの種類①|ヒョウモントカゲモドキ

ヒョウモントカゲモドキは、その美しい模様と比較的扱いやすい性質から、爬虫類初心者に人気のペットです。
ここでは、ヒョウモントカゲモドキの特徴や、爬虫類飼育初心者の知っておきたいポイントについて紹介します。
ヒョウモントカゲモドキの特徴
ヒョウモントカゲモドキは、成体で全長20〜25cmほどの大きさです。健康状態が良ければ、寿命は10年~15年程度と比較的長寿なのも魅力の一つです。性格もおとなしい個体が多く、人に対して攻撃的になることはほとんどありません。
さらに、ヒョウ柄を中心とした模様のバリエーションも豊富で、珍しい模様や色合いを持つ種類も人気です。これらは「モルフ」と呼ばれ、遺伝的な組み合わせによって色や模様によって識別される品種のことを指します。ブリーダーの間でも多様なモルフが開発されており、自分だけのお気に入りを見つける楽しさもあります。
また、ヒョウモントカゲモドキは夜行性のため、昼間働いている人でも無理なくお世話ができる点もメリットです。比較的環境の変化に強く、適応力があることからも、初心者に向いているといえるでしょう。
初心者向けポイント
ヒョウモントカゲモドキは、コンパクトなサイズ感と管理のしやすさから、初めて爬虫類を飼う方にもぴったりです。
温度管理は、自ら体温をつくれない爬虫類にとって重要です。昼間は29~32℃程度、夜間は20~25℃程度を目安に保ちましょう。また、湿度は40~60%が理想とされています。とはいえ、日本国内かつ室内であれば、管理がしやすいといえるでしょう。
食事は市販されているコオロギやデュビアなどの昆虫や、人工フードでもOKです。ペットショップやネットで手軽に手に入るため、特別な準備は必要ありません。
このように、飼育しやすく、愛らしい見た目をもつヒョウモントカゲモドキは、爬虫類初心者に最もおすすめできる種類のひとつです。
爬虫類初心者におすすめの種類②|フトアゴヒゲトカゲ

爬虫類をペットとして飼うことに興味があるけれど、どの種類を選べばよいか迷っている方には、フトアゴヒゲトカゲがおすすめです。フトアゴヒゲトカゲは、見た目のインパクトとは裏腹に、性格が穏やかで飼育が比較的容易なため、爬虫類初心者にも人気があります。
筆者自身も爬虫類初心者の頃に2匹目として迎えたのがフトアゴヒゲトカゲでした。
フトアゴヒゲトカゲの特徴
フトアゴヒゲトカゲはオーストラリア原産の爬虫類で、その名前は顎下にあるトゲがついたふくらみ(=太いアゴ)から来ています。怒ったときなどに、この部分が黒く変わり、膨らむのが特徴です。
成長すると全長はおおよそ40〜60cmほどで、一般的には50cm前後に落ち着きます。適切な環境で飼育すれば、7年から10年ほど生きます。
性格はとても温厚で人にもよく慣れるため、手のひらに乗せて触れ合うことも可能です。スキンシップを楽しめる爬虫類としても、多くの飼い主に愛されています。
初心者向けポイント
フトアゴヒゲトカゲは、その扱いやすさから初心者にも非常に向いている種類です。比較的大型の部類には入りますが、個体の全長が60cm以下であれば一般的な飼育スペースでも十分に対応可能です。
オーストラリアの乾燥地帯に生息していた背景から、暑さに強く、保温ランプやヒーターを使えば容易に環境を整えることができます。昼間は約30~40℃、夜間は約22~28℃を目安に温度管理を行うとよいでしょう。
また、フトアゴヒゲトカゲは雑食性で、昆虫類に加え、野菜や果物もよく食べます。ペットショップで手に入る爬虫類用フードも利用できるため、食事面でも管理がしやすい点が魅力です。
このように、穏やかな性格と飼育のしやすさを兼ね備えたフトアゴヒゲトカゲは、爬虫類飼育が初めての方にとって、安心して飼える理想的なペットのひとつです。
爬虫類初心者におすすめの種類③|コーンスネーク

「ヘビを飼ってみたいけれど、難しそう…」と感じている方にぴったりなのが、コーンスネークです。愛らしい顔とおだやかな性格で知られ、小さめサイズであるため初心者でも安心して飼育を始められる種類として人気があります。
適切な環境と愛情をもってお世話すれば、コーンスネークは長く付き合える素晴らしいパートナーになってくれるでしょう。
コーンスネークの特徴
コーンスネークは北アメリカ原産のナミヘビの仲間で、その名の由来は、かつてトウモロコシ畑でよく見かけられたためという説と、お腹の模様がトウモロコシに似ている説があります。寿命は15〜20年ほどと長く、適切に飼育すればさらに長生きすることもあります。成体の全長は約60~150cmとヘビのなかではやや短めで、細身で扱いやすいため、初心者でも無理なく飼うことができます。
性格は非常におだやかで、攻撃的な面はほとんどなく、人にもよく慣れます。ハンドリング(手で持つこと)にも比較的向いており、爬虫類の中でもコミュニケーションを楽しみやすい種類といえるでしょう。
初心者向けポイント
コーンスネークが初心者におすすめされる最大の理由は、その飼育のしやすさにあります。比較的コンパクトなケージで飼育できるうえ、環境の整備もそれほど難しくありません。ケージ内に水入れや適切な床材を設置してあげることで、ストレスの少ない快適な空間をつくることができます。
コーンスネークの飼育では温度管理も重要です。ケージ内の温度を25~30℃程度に保ち、「温かい場所」と「涼しい場所」をつくることで、ヘビが自分で最適な場所を選べるようにしてあげれば問題ありません。パネルヒーターなど専用の保温器具を使えば、安定した環境を保つことができます。
エサは冷凍マウスが一般的で、解凍して与えるだけなので扱いやすく、初心者にも安心です。生き餌を使わないことでヘビの怪我を防ぎ、飼い主も心理的に負担を感じにくい点もメリットです。ヘビの成長に合わせて、適切なサイズのエサを選んであげましょう。
なお、ヘビに興味がある方には、もう少し大きく丸みを帯びたフォルムで人気の「ボールパイソン」もおすすめです。ボールパイソンは筆者も実際に飼育しているヘビ種でもあります。

以下の記事でボールパイソンの飼い方も紹介しているので、興味のある方は見てくださいね。


爬虫類初心者におすすめの種類④|ロシアリクガメ


ロシアリクガメは、爬虫類の中でも特に飼育しやすい種類のひとつとして知られており、初めてリクガメを飼う方にもぴったりです。とはいえ、彼らが健康に長く暮らしていくためには、適切な環境づくりと日々の丁寧なお世話が欠かせません。
温和な性格と愛らしいしぐさで、多くの飼い主に親しまれているロシアリクガメ。その魅力を詳しくご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
ロシアリクガメの特徴
ロシアリクガメは、その名の通りロシア南部から中央アジアにかけての乾燥地帯に生息する陸生のカメです。乾いた草原や砂地を好むこの種は、丈夫で適応力が高く、飼育にも比較的向いています。
成体になると、甲羅の長さはおよそ25cmほどに成長します。コンパクトなサイズ感で、飼育スペースにもそれほど大きな広さを必要としません。また、しっかりとした環境管理と健康管理を行えば、なんと50年以上生きることもある長寿のリクガメです。
性格はおだやかで、個体によっては飼い主の姿を見つけると近づいてくるなど、人懐っこい一面も見せてくれます。ゆったりとした動きと愛嬌のある表情に癒される飼い主も多く、根強い人気を誇る存在です。
初心者向けポイント
ロシアリクガメは比較的小型で、専用の飼育ケージやリクガメハウスを用意すれば、室内の限られたスペースでも無理なく飼育することができます。
温度管理はほかの爬虫類同様、重要なポイントです。日中はおよそ30℃、夜間は25℃程度を保つように意識するとよいでしょう。加温用のランプなどの保温器具を使い、温かいエリアと少し涼しいエリアをケージ内に作るのが理想です。
食性は草食で、主に葉野菜やイネ科の草を食べます。チンゲン菜や小松菜などの野菜に加え、市販のリクガメ専用フードを補助的に与えたりカルシウムパウダーなどを利用したりすることで、栄養バランスを整えやすくなります。常に清潔な水を用意しておくことも忘れないようにしましょう。
なお、リクガメに興味がある方には、同じく飼育しやすい「ギリシャリクガメ」もおすすめです。
爬虫類初心者におすすめの種類⑤|クレステッドゲッコー


クレステッドゲッコーは、その愛らしい見た目と人懐っこい性格から、初心者にも人気の高いヤモリの一種です。基本的な環境管理と、栄養バランスの取れた食事を心がければ、比較的簡単に飼育できるため、初めて爬虫類を飼う方にもおすすめです。
クレステッドゲッコーの特徴
クレステッドゲッコーは、南太平洋に位置するニューカレドニア原産の樹上性ヤモリで、頭から背中にかけて生えるクレスト(王冠)のような突起が名前の由来となっています。さらに、目の周りにも特徴的な突起があり、まるで豊かなまつ毛のように見える愛らしい姿が魅力です。
成体になると全長は20cmほどで、扱いやすいサイズ感です。寿命は適切な環境で飼育すれば、7年~10年程度といわれています。
性格はおだやかで人に慣れやすく、手に乗せてスキンシップを楽しむことも可能です。夜行性のため、日中は静かに隠れ家で休み、夕方から夜にかけて活発になります。忙しい日中はそっとしておけるため、仕事をしている方でも飼いやすい存在です。
初心者向けポイント
クレステッドゲッコーは比較的コンパクトなサイズのため、限られたスペースでも飼育が可能です。ケージには、隠れ家や登り木、ツルなどを設置し、自然の樹上環境に近いレイアウトを整えてあげましょう。活発に動き回れる縦長のケージが理想的です。
温度管理もそれほど難しくなく、室温が25℃前後であれば特別な加温器なしでも飼育可能です。ただし、冬場の気温低下に備えて、小型のパネルヒーターやヒートマットを用意しておきましょう。
食事面では、昆虫や果物を好みますが、市販のクレステッドゲッコー専用フードを利用すれば、栄養バランスのとれた給餌が可能です。専用フードは初心者にも扱いやすく、水で溶くだけの簡単なタイプも多く販売されています。
たまにバナナやマンゴーなどの生の果物を与えることもできますが、糖分が多いため与えすぎには注意しましょう。
爬虫類初心者におすすめの種類を探して飼育してみよう!
爬虫類との暮らしを始めたいと思っているけれど、どの種を選べばいいのか迷っている方には、この記事でご紹介したヒョウモントカゲモドキ、フトアゴヒゲトカゲ、コーンスネーク、ロシアリクガメ、クレステッドゲッコーがおすすめです。
どれも初心者でも飼いやすく、安心して迎えられるため人気があります。それぞれに個性や魅力があり、適切な環境と愛情を注げば、きっと楽しく豊かな爬虫類ライフが始まるはずです。
爬虫類との暮らしは、新しい発見に満ちていて、日々にちょっとした癒しや喜びをもたらしてくれます。初めての飼育は不安なこともあるかもしれませんが、基本的な知識を身につけ、丁寧なケアを心がければ、初心者でも無理なく楽しく飼うことができます。
飼育を始める前には、各種の特徴や必要な環境、食事内容などをしっかりと調べ、準備を整えておきましょう。それぞれの爬虫類に合った環境をつくってあげることが、健康で幸せな暮らしの第一歩です。



ぜひ、自分にぴったりの一匹を見つけて、爬虫類との素敵な生活をスタートさせてみてくださいね。
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