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獣医師が伝えたい初めて犬を飼う際の心構え

獣医師が伝えたい初めて犬を飼う際の心構え

この記事では、初めて犬を飼う方に向けて、特に大切なポイントを4つに絞ってわかりやすく解説しています。犬を家族として迎えるその前に、ぜひ一度立ち止まって読んでみてください。

目次

犬を飼う前に知ってほしいこと

散歩している犬

ここでは犬を飼う前に知って欲しいポイントを3つに絞ってお伝えしますので、よくお読みになってから犬を迎える準備を始めましょう。

初めて犬を飼う心構え

犬は単なるペットではなく、家族の一員です。その命に向き合う責任と、犬の一生に関わるという覚悟が求められます。

まず考えていただきたいのは、ご自身のライフスタイルとの相性です。仕事の忙しさや外出の頻度、住居の環境によっては、犬を飼育できない場合があります。

散歩やブラッシング、餌やりなど、毎日世話のために要する時間は最低でも2時間程度です。自分自身の生活のなかで、犬と向き合う時間が確保できるのか、よくシミュレーションしてみましょう。

犬種・個体による違い

犬種によって性格や必要な運動量、吠えやすさなどに大きな違いがあります。初めて犬を飼う方には「初心者向き」と言われる穏やかで扱いやすい犬種を選ぶのがよいでしょう。

ただし、飼いやすいといわれる犬種でも、その犬ごとに性格が異なります。そのため、どの犬種でも必ず「飼いやすい」わけではないことを理解しておくことが重要です。

犬種による違いは、今後こちらのサイトで紹介していきますので、アップされた際はぜひ参考にしてください。

犬の寿命と終生飼育について

犬を家族として迎える以上、しつけや健康管理に加え、老いや看取りといった現実にも向き合う覚悟が求められます。

犬の寿命は小型犬で14年ほどです。犬の寿命が年々伸びているというデータもあります。長寿化に伴い、病気の診療費もかかります。さらに終生飼育するには、老いていく犬の介護も必要になるため時間的・精神的な余裕も必要です。犬を飼うには、しつけや病気、老いに直面する覚悟もしておきましょう。

参考:PR TIMES|この10年で、犬猫の寿命は延びていた!長寿化で気になる診療費も大発表(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000028421.html

初めて犬を飼うために必要な準備とは

犬用ケージ

犬を飼い始めると決めたら、まず住環境を整える必要があります。犬が安全に過ごせるスペースを用意することは、最初の大切な一歩です。

ケージとトイレの準備

ケージやサークルで寝床を確保し、トイレの場所を決めて、早い段階からルールを教えられるようにしましょう。

犬を迎える当日は、ストレスを与えないように、なるべく静かな環境で迎え入れてください。そのためには、ケージを静かなスペースへ置くことをおすすめします。新しい家に慣れるまでは、不安定になることもあります。1週間ほどは無理に構わず、犬が自分のペースで空間に慣れていくのを見守る姿勢が大切です。

最低限の犬用グッズの準備

グッズとしては、まず以下をそろえるとよいでしょう。

  • フード
  • 食事用の食器
  • 水飲み用のボウル
  • リード
  • ハーネス
  • トイレシート
  • 犬用トイレ
  • おもちゃ
  • ブラシ
  • シャンプー

食事に関しては、子犬か成犬か、犬種によって適したフードが異なります。そのため、犬を迎えたブリーダーやペットショップ、もしくは獣医師の指導を仰ぐことをおすすめします。

安全対策

犬を迎えるためには、室内の安全対策も重要です。

誤飲を防ぐためにコード類はカバーをつけ、観葉植物や小物類は手の届かない場所に移動しましょう。また、電気ストーブなどの触れるとケガをする恐れがある家電は囲いを付けるか、片付ける必要があります。

犬は好奇心旺盛で、特に子犬の時期には予想もしない行動をとるため、事前の準備で事故を防ぎましょう。

毎日のケアと健康管理を心掛ける

獣医と犬

犬との暮らしを始めたら、欠かせないのが次の3つです。

  • 健康的な生活リズム
  • しつけと社会化
  • 健康診断と予防ケア

それぞれのポイントを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

健康的な生活リズム

犬との暮らしでは、毎日のケアが欠かせません。まず基本となるのが食事と運動です。

食事は年齢や体重に応じて量と内容を調整し、決まった時間に与えることで生活リズムを整えます。間食は控えめにし、肥満を防ぐことも飼い主の役目です。

散歩は身体の健康を保つだけでなく、精神的な刺激を与える大切な時間です。小型犬であっても毎日1回は外に出て、においを嗅いだり他の犬や人と接することで、社会性を育むことができます。

しつけと社会化

しつけも重要なポイントです。トイレや無駄吠え、噛み癖などの問題行動は早い段階で対処が必要です。怒鳴ったり体罰を行うのではなく、行動の理由を理解したうえで、正しい行動を褒めて強化する方法を取りましょう。特に子犬の時期は社会化の黄金期と呼ばれ、人や音、物に慣れる経験をさせることで、成犬になってからのストレスを減らすことができます。

健康診断と予防ケア

健康管理の面では、定期的な健康診断、ワクチン接種、フィラリア・ノミ・ダニの予防を欠かさないことが基本です。予防こそ最大の治療といわれるように、病気の芽を早期に発見・対応することで、犬の寿命を延ばすことができます。体調の異変は食欲、便の状態、呼吸、歩き方などからも読み取れます。

日々観察を怠らず、小さな変化にも気づけるようになることが理想です。

マイクロチップの装着も忘れずに

マイクロチップの申請書

2022年6月1日から、日本国内では犬や猫の販売業者に対してマイクロチップの装着が義務付けられました。

この制度は迷子になった際に確実に身元が分かるようにするためのものです。マイクロチップは、米粒ほどの大きさの小さなチップです。皮下に注入し、専用のリーダーで番号を読み取ることで、登録された飼い主の情報と照合ができる仕組みになっています。

対象は販売業者だけではありません。一般の飼い主にも装着させる義務があり、すでに犬や猫を飼っている方にも、推奨されています。災害や事故、脱走といったとき、確実に愛犬・愛猫を守るための有効な手段であり、獣医師の立場からもマイクロチップの装着は積極的におすすめしたいものです。

マイクロチップの装着は痛みが少なく、通常のワクチン接種と同じような感覚で処置ができます。費用も数千円程度で済むため、まだ装着していない場合は、一度かかりつけの動物病院に相談してみてはいかがでしょうか。

参考:環境省|犬と猫のマイクロチップ情報登録について(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html

初めて犬を飼う方は正しい知識を取り入れよう

犬と家族

犬を飼うということは、楽しいことばかりではなく、命を預かるという責任が伴います。毎日の食事や散歩、健康管理、しつけなど、一つひとつの積み重ねが、犬との信頼関係を築くうえで大切な役割を果たします。

獣医師として初めて犬を飼う方にお伝えしたいのは、まず、正しい飼い方を学ぶことが何よりも重要だということです。しっかりと準備を整えることで、飼い主も犬も安心して生活を始めることができます。

もし「この対応で合っているのかな?」と不安を感じたときは、かかりつけの動物病院に相談してみてください。

初めて犬を飼う方でも、正しい知識と優しい気持ちがあれば大丈夫です。ぜひ、自信をもってペットとの生活への一歩を踏み出しましょう。

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